お話が上手な3歳児さんは、園での出来事をたくさんお話してくれると思います。
楽しく保育園や幼稚園に行ってると思いきや、急に「お友達が遊んでくれない」などお子さんから聞くと、とっても不安になりますよね…。
今回は3歳児の発達をふまえてそういったことが起こる状況をお伝えできればと思います。
「お友達が遊んでくれない」
「お友達が遊んでくれない」「お友達がいない」と家で子どもが言っていますと。
実際に保護者の方からよく相談を受ける内容です。
でも安心してください。
この年齢の子は友達と仲よく遊ぶことがまだまだ難しい年齢なのです。
だからと言ってそのままにするのではなく
「家でこのようなことを言っている。園でどのように過ごしているか心配です」とそういった事実があることを担任の先生に伝えてみてください。
その子が悲しい思いをしないようにフォローするのが保育士の役目です。
伝えてもらったことによって見守るべきシーンがわかり担任もフォローしやすくなります。
またどういった状況か園での様子を細かく伝えてくれてるはずです。
※本来は全体を見渡してすべて把握することが保育士の役割として望ましい事ですが、実際問題難しいの現状です。
保護者の方に言われて気づくことがあるのも事実です。
三歳児20人に対して保育士1人となると
・ケガをしないように見守る
・友達同士のトラブルを解決する
が優先されます。
友達とのトラブルでも泣いていたり、「○○っていわれた」などと子どもがからのアクションがあれば気づきますが
子どもたち同士の中で完結してしまうと気づけづに終わってしまうこともあります。
一人遊びがメイン
一人でじっくり遊ぶのが好きな年齢です。
お友達と隣に座って仲よく遊んでいるように見えても、それぞれの世界で遊んでいます。
これを「並行遊び」と言い2~3歳頃に多く見られます。
一人遊びの中で興味を掘り下げ集中しているときに、お友達と遊ぶように促すことはしません。
じっくり遊んでいるときは、その子の感性が伸びているとき。
静かに見守ります。
周りのお友達のやっていることに興味を持つと近くに行って真似をしたり側で遊んだりと並行遊びになることが多くありますが
距離感がわからず相手の領域に入りすぎてしまいトラブルになったり
上手に一緒に遊ぼうと声をかけても相手の子が一人でじっくり遊びたい時には断られることも。
大人から見ると断った子のことを意地悪だ、独り占めだ、仲良く遊べない子なのね、だとかネガティブな印象を持つと思います。
しかし断った子の方からすると、おもちゃを全部使って何かを完成させたいと思いながら遊んでいたときに、違うお友達がおもちゃを使ってしまったら自分の思い描いてたことができずに遊びが中断されてしまいます。
そういった理由で断っているので決して意地悪をしようだとか相手を嫌っているとかの理由ではないことがわかると思います。
なぜ3歳児、年少さんはお互いに譲って仲よく遊べないのかは次の心理実験からわかります。
相手の気持ちがわからない ~サリーとアンの課題~
こういったテストがあります
※4歳未満は「はこ」と答える子の割合が多く、4歳以上になると「かご」と答える子の割合が多くなるという結果が出ています。
6歳で95%以上の子が「かご」と答えます。
このテストは相手の視点に立って物事を考えられるかどうかがわかります。
4歳未満の子が半数の年少、3歳児クラスではみな自分の視点でしか物事をとらえられないのがわかりますよね。
相手の視点に立って
「こう言われたら悲しいだろうな」
「こういう事がしたいんだろうな」
と考えるのは難しく
自分の主張を優先して友達同士仲よく遊ぶのは難しい年齢になります。
仲よく遊べるのは5歳位から
仲良く遊べるようになるのは、5歳頃から。
これは、相手の気持ちがわかるようになる、相手の視点に立って物事を考えられる。
このようになってくるとお互い自分の気持ちを優先させるだけでなく
どうしたらお互いが納得して遊べるかを考えられるようになってきます。
年少、3歳児の「お友達が仲間に入れてくれない」や「友達がいない」「遊んでくれない」とお話ししてきたら
お家でも話を聞いてあげてください。
こういった3歳児の成長からもわかる様に
それぞれが一人遊びをメインにしつつ、周りに興味が出てきたゆえのトラブルが増えるときです。
こういった場面ではお互いにネガティブな気持ちが残らないよにフォローしていきます。
お互いの気持ちを保育者が口にして代弁することで、お互いの気持ちに気づけるように促していきます。
ネガティブな発言なので心配になると思いますが成長過程で起こることなのであまり心配せず
園での過ごし方を担任の先生に聞いてみてください。