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【保活】保育園の見学のポイント!お勉強よりたくさん遊ぼう!生きる力、非認知能力を育てる保育とは

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前回おすすめの保育園の条件でも少しふれました。
保育士が考えるおすすめの保育園の条件はこちら
【保活】保育園見学のポイント!保育士から見た良い保育園の条件 - 保育士ぱじゃくまの子育てプチ情報



では、
具体的にどんな保育方針、保育内容が良いの??
と思いますよね。
今回はおすすめの保育方針、保育内容について詳しく書いていきたいと思います。

非認知能力とは

ノーベル経済学賞を受賞した、ジェームズ・ヘックマン教授の

「ペリー就学前プロジェクト」

という研究でIQでは測れない非認知能力の重要性が判明しました


また、保育所保育指針の序章にもこのような一文があります

様々な研究成果の蓄積によって、
乳幼児期における自尊心や自己制御、忍耐力といった主に社会情動的側面における育ちが、
大人になってからの生活に影響を及ぼすことが明らかとなってきた。

引用:保育所保育指針解説 序章より

社会情動的側面の重要性が書いてあります。



社会情動的側面非認知能力とは

具体的には
・主体性
・社会性
・自己肯定感
・表現力
・創造力
・感情のコントロール
・コミュニケーション能力
・協調性
などなど
生きていく為に必要なこと
「生きる力」とも呼ばれています

2018年からの保育所保育指針
2020年からの小学校の新学習指導要領にも
非認知能力を育てる要素が組み込まれるなど

今の教育に重要なものとして位置づけられています

非認知能力を育てるには子ども主体の保育!!

では、それはどうやったら育つの??
と思いますよね。

生きる力を育てるには、子ども主体の保育が大切です
保育現場では、一斉(設定)保育と子ども主体の自由保育があります
2つの違いを簡単に説明しますね

一斉(設定)保育

朝みんなが揃ったら椅子に座って

先生のはなしを聞いて
「今日は折り紙やりまーす」

みんなに折り紙配って
「チューリップを折りますよー」
「色は赤、黄色、白から選んでね、ひとり1枚よ」
「まずは、三角に折りますよー」

みんな終わったらお外に行って
「トントン前、トントン前」で整列して
「運動会のお遊戯しましょう」
「次は逆上がりしましょう、順番に並んでね」

最後はお部屋でひらがなのドリル
「静かに座ってやりましょうね」

伝わる様に、かなり極端に書きましたが…
大人の一方的な指示で子どもたちが活動をする保育のことです。

これでは、色々な知識は身に付きますが、生きる力は育ちませんね。

子ども主体の自由保育

保育に連続性があり、朝園に着いたら、昨日の遊びの続きができる

昨日お庭でお花を見つけたから、図鑑で調べてみたい
図鑑で調べたらチューリップっていうことがわかった。

よく観察した
においをかいだり、花びらをさわってみたり
よし絵に描いてみよう
折り紙で折たらどうなるかな、折り紙の本に載ってるかな?
違う折り方をしたらどうなるんだろう
違うお花の形になるかな
何枚も何枚もたくさん折って、この部屋一杯に飾ってみよう
よーしできたぞ
みんなが何の花かわかるようにチューリップと書いておこう、もう一度図鑑を見て字を真似して書いてみようかな
終わったから外に出てあそぼう。
他のお花も見つけたぞ、この名前も調べてみよう…


外遊びをしているほかの子は
5歳のお兄さんお姉さんが木登りやってる!
僕もやってみたい!
よーく見て、どうやるか考えて
よしやってみよう。
うまくいかないぞ
でもやると決めたから、何回も何回も挑戦
何日も何日もお兄さんたちの姿を見て自分で学び、
少しづつ登れるように…


子ども主体の自由保育の一例です。


大人が声をかけなくても、自分で図鑑で調べて読み書きを覚え、折り紙を色々工夫して製作し…
外では、お兄さんお姉さんへのあこがれから、動きを観察して、試行錯誤しながら最後まで頑張ってみる…

主体的に創造して表現して、あきらめず、繰り返し、できた時には達成感を感じ、自信につながり…
と自由に遊ぶ方が様々な非認知能力、生きる力が育つことがわかりますね

これらができる環境を整えてある事が重要です

自由保育については私の理想とする保育園があります

「小俣幼児生活団」

まさにこうやって子どもは育つ!!
モンテッソーリ教育とアドラー心理学をもとに理想の保育をしています
子育てについての様々なヒントが書いてあるので
興味のある方はぜひ!


理想の保育を展開するには難しい現状

非認知能力の重要性は様々な研究結果からも明らかになり、
保育所保育指針や学習指導要領でも組み込まれているので、
子ども主体の保育に切り替えようと試行錯誤している園はたくさんあると思います

しかし子ども主体の保育を行うには

・職員数の確保
子どもたちがそれぞれ違うところで遊んでいてもきちんと把握できる人数の職員の数が必要になります

・豊かな自然
たくさんの体を動かして、五感を刺激される遊びが経験できる自然豊かな環境も大切です

・職員の質の高さ
ただ自由に遊ばせるだけでなく、それらの遊びの先にある成長することを見出して、適切な環境の設定や声掛けができる保育士の質の高さ必要です。

おすすめのこども主体の保育ですが、これらの条件がそろわないとなかなかできない難しい保育になります


例えば
・お部屋でお絵かきを完成させたい子と、お外で遊びたい子がいるとします。
先生が二人いたらそれぞれの子について行って、両方の子の希望をかなえてあげることができますが、
一人しかいない場合は、二つの場所に子どもたちを行かせてしまっては把握ができないのでどちらかの遊びに決めなければなりません

・豊かな自然があれば走り回ったり、木登りしたりと自然に運動面が成長します。
しかし、園庭が無い保育園なら運動面の成長を保証するために、体操の講師を呼んでみんなで一斉に運動をする必要も出てきます

・身近に自然の植物があれば、それを見た触ったり五感を刺激される経験ができます
しかし、身近に自然がなかったら、みんなで散歩に出かけ自然を探し触れに行くことも必要になってきます


このように乳幼児期の様々な経験を保証するため、一斉(設定)保育を行う事が必要な場合もあります

一斉(設定)保育でも主体性が育つ保育とは

一斉(設定)保育でも主体性を大切にし非認知能力を育てることはできます

保育方針や、保育内容の説明時にわかればいいのですが
言葉だけでは、なかなか保育内容が見えない場合がありますよね
そういった場合は、次に挙げる例のようなことに意識して見学してみてください

例えば
・保育室にコーナーが設置してあるか
子どもたちが自分でおもちゃを選んで遊べるように、おもちゃ棚が置いてあることが大切です
自分で遊びたいものを選んで、じっくり遊べる環境が非認知能力を育てるには必要です
0歳児クラスでも、低い棚におもちゃを置いて、集中して遊べる環境が整っているといいですね

コーナー保育についてはまた記事を書きたいと思います

・保育室の制作物を見る
みんな同じきれいにできあっがった絵や工作が展示してあるより、個性輝く作品の展示がしてあれば子どものやりたいこと、表現したいことを認め、主体性を大事にしていることがわかります

・先生たちの声かけ
「○○しなさい」より「○○してみる?」「次どうする?」など自分たちで考えられるような声掛けは、子どもたちの主体性を尊重していると言えます

・運動会や発表会の取り組みを聞いてみる
子どもたちと話し合って種目を決めた、子どもたちの好きな絵本で劇遊びをしそれを発表した
といった取り組みは子どもたちが主体になっていると取れますね

などなど、見学中にも子どもたちを主体に保育していることを感じることができる場合もあります。

これからの社会に必要とされている非認知能力。
乳幼児期の過ごし方が大切になってきます。
保育現場の現状として難しいところもありますが
子どもたちの将来の為に
子どもの主体性を大切にしている園をぜひ探してみてください!!


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